Kill the Secret.
——秘密を殺せ。
南太平洋。ネオナチのテロリスト三人。
ナチスのお宝を持って暗躍する彼らを追い、各国の諜報組織が動き出す。
ニュージーランド、イギリス、ロシア、ベルリン、そして海上——
舞台と「主演」はターゲットと共に移り行く。
彼女たち、ひいては後ろにいる大人たちの駆け引き。
最も利を得るのは誰か。
Catarina Artbark
第一話 A little reaper flutters in the sunbeams.
カタリナ・アートバーク。
ニュージーランドANZAC情報部に属する17歳の高校生。
パルクールを得意とする、活発で人懐っこい少女。
だが「ファンテイル」の名の示す通り、彼女は「害獣」たちにとっては死を予兆する存在である——
Olivia Vanquish
第二話 Tea, melody and conspiracy
オリヴィア・ヴァンキッシュ。
イギリス秘密情報部SISの下部組織、V機関に属する10歳の少女。
孤児でありながら、国家の諜報機関の手によって訓練された少女が手にするのは
対物狙撃銃、CheyTac M200 Intervention。
人生を絶望した物憂げな少女は、達観したその眼差しで引き金に指をかける——
Лилия Глазунов
第三話 Cutie and Beast
リーリヤ・グラズノフ。
ロシアの暗殺組織の「清掃課」に属する13歳の少女。
敬虔で美しい少女は近接戦闘における技術とセンスは群を抜く。
愛しい人にだけ見せる笑顔と年相応の感情表現は、彼女の感性の豊かさを表すが、同時に「清掃中」の残忍さを際立たせるものでもある——
Riel "Seraph" Thurston
第四話 Presto agitato
リエル・サーストン。
セラフの二つ名を持つ天才クラッカーの少女。
アメリカCIAとのつながりがあり任務と興味と個人的な目的のためにネオナチを追う。
経歴には多数の抹消・改竄があり、素性と出生は謎に包まれている——
Francesca Fujita Bönitz
第五話 Der Schankzeichen spinnt den Faden
フランチェスカ・フジタ・ベーニッツ。
ドイツ系ユダヤ人と日本人のミックス。敬虔なユダヤ教徒でもある11歳の少女。
ラプンツェルのコードネームを持つ彼女は、ドイツの連邦情報局の管理下にあるモサドの暗殺者。
ナチスへと向ける殺意は、どこにも居場所のない彼女のその身上ゆえか——
Touko Kanyaki
第六話 Hazard chase!
神崎トウコ。
新宿を拠点に、小さな仕事から殺しまでなんでも請け負う17歳の少女。
高校に通ってはいるものの休みがちなのは、悪い大人の犬童ユウスケが近くにいるからか。
そう。彼がいなければ、彼女はこんなドイツの片田舎で命をかける羽目に陥ることもなかったのだ——
Shigure Usuzuki
最終話 What's your name, What's your role?
薄月しぐれ。
彼女に素顔はない。彼女は常に仮面を被り、何かの役を演じている。
極東警備有限会社の経理部に所属し、ある任務のために彼女に近づく。
出生も身の上も不明な15歳の少女は、今この瞬間も誰かを騙している——